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メディカルケア

擦過傷の対処法

サッカー中に転倒し、膝や肘などを擦りむくことがあります。

その際の対処法についてお示しします。

「擦過傷」とは、表皮がすりむけてできた傷のことで、切れているのではなく剥がれただけの状態を指します。

処置の手順を示します。

①水道水で傷を洗浄する。

②消毒はしない。

③適切な創傷被覆材で覆う。

各項目について少し詳しく説明をします。

 

①「水道水による洗浄」とは、感染源となる異物、付着した血液、壊死組織の除去が目的です。

水道水でいいの?と思うかもしれませんが、水道水は水質基準が定められており、医療機関でも水道水による洗浄が行われています。

砂や石を除去するために行うので、少々の圧をかけて実施して良いとされています。

 

②「消毒」は、皮膚の再生に必要な細胞にまでも働き、創傷治癒を遅らせるため、最近では消毒をしない方が良いとされています。

水道水で洗浄するのが良いということですね。

 

③「適切な創傷被覆材で覆う」についてお示しします。

傷口は乾燥させるより湿潤状態に保った方が創傷面が速やかに上皮細胞で覆われ、早く上皮化し、傷跡が目立ちにくくなります。

傷口は乾燥させない方が良いということです。

洗浄後の傷の被覆ですが、現場では主にガーゼや絆創膏を用いるケースが多いと思います。

あとは保護者の判断となりますが、最近は上記のような理由からたくさんの創傷被覆材が薬局で販売されています。

適宜使用していただければと思います。

ここまで擦過傷について述べてきましたが、病院に連れて行った方がいい場合はどのような場合でしょうか。

・異物が取れないとき

・傷が深いとき(脂肪組織まで達しているようなとき)

上記の場合は、医療機関にて異物の除去や創の縫合などの処置が行われます。

6〜8時間程度で処置されることが望ましいとされています。

救急車の必要はありませんが、保護者の判断で受診を検討していただきたいと思います。

このページは第25回学校医部会研修会より引用及び参考にして作成しています。

http://www.kanonji-mitoyo-med.or.jp/health/pdf/241208-1.pdf

2016年6月 代表 大野耕平

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